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システム開発者が学ぶべき簿記会計入門_1

システム開発者が学ぶべき簿記会計とは?

システム開発者にとっての簿記会計

システム開発者にとって、簿記会計を学ぶ必要が生じるのはどういう状況だろうか。勿論、会計システムの開発に関わる事になったから、ということが大きいが、単にプログラマーとして携わるだけであるなら特に簿記会計を学ぶ必要はない。それよりも作成したプログラムが適格に指示された作業ができるようにすることが大事だ。にもかかわらず簿記会計の知識が必要となる、というのは単なるプログラマーではなく、指示する側(用はコンサルタント)になったから(あるいはコンサルタントになりたいから)学ぶ、ということであろう。簿記会計がわかってないと適格な指示ができないだろうし、簿記会計の知識が無いと、その場での対応はできても、後々の(法改正等による)修正を想定できずに修正が不可能なシステムにしてしまう可能性があるので、返ってクライアントから不評を買うプログラムを指示してしまうことになる。そのようなことがないようにコンサルタントには簿記会計の知識が必要となる。

そもそもコンサルタントとは

そもそも、コンサルタントは単なるアドバイザーではなく、通訳でもある、というのが私の持論である。特に会計システムの開発においては、システム開発者であるプログラマー等や財務・経理の担当者との間を取り持つのがコンサルタントの役割の一つである。だが、この両者は、他の部署からは特殊視されている部署といえなくもない。ある意味特殊な言語を使用する奇妙な集団の代表格2つといえるだろう。そして、その言語(?)はロシア語とアラビア語のように全く他の部署には理解できない、また2つもお互いに理解できない言語の使用者である、という認識に立っていると考えたほうがいい。その間に立ってプロジェクトをうまく推進していくのがコンサルタントの役割の一つである。そのためにはコンサルタントはシステムの知識と経理の知識の両方をある程度知っていなくてはならないのである。だからこそ、システム開発者が簿記会計を学ぶ必要が生じるのである。

表1-1

日商簿記1級

商業簿記、工業簿記、会計学、原価計算

上場企業を含む大企業の経理業務まで行うことができる。
この資格があれば税理士試験の受験資格が得られます。(通常は大学での学識が基準ですが、簿記1級があれば大学での学識認定の必要はありません。)

日商簿記2級
商業簿記、工業簿記
町工場を含む中小企業の経理業務を行うことができる。


日商簿記3級
商業簿記 中小零細の商業(小売り、卸売業)の経理業務を行うことができる。 簿記学習の基礎です。まずここから始めることになります。

システム開発者はどこまでの知識が必要か

上記の表を見ていただきたい。簿記の学習をする上でよく使われる『日商簿記』の級について簡単にまとめてある。日商簿記では、簿記の知識を使って記帳業務、財務諸表の作成業務といった、経理・財務の業務を円滑に行うことができるように学習段階を設けているため、この区分はあくまでも経理・財務の業務内容によっている。
では、システム開発に携わる者を基準に考えて見よう。多くの中小企業ではシステム開発を外部に発注するようなことはない。市販されている会計ソフトをPCに入れて設定さえできれば十分使用に耐えられるからだ。これに対し、大企業ではその処理すべき伝票枚数等からいってもPCでの処理能力を超えており、そうなると市販の会計ソフトでは対応できない。そこでシステム開発を依頼したり自社開発したりすることになる。ここにシステム開発者が関わる事になるわけだ。つまり、これを単純にみればシステム開発者は簿記1級の知識が必要、ということになってしまう。
しかし、システム開発者が仕事の合間に簿記1級に合格できるか、というとかなに難しい。現場を離れて半年くらい集中して学習すれば取れるかもしれないが、そんな時間を作ることはまず無理だろう。ではどうしたらいいのか、を考えて見よう。

モジュールと級の差

システム開発において、会計システムといっても、いくつものモジュールに分かれて作業をしているかと思う。これに対し、簿記の級は作業の内容(深さ?)によって分かれているため、モジュールとはある意味縦と横のような関係にも見える。いってみれば、各モジュールに区切って必要な簿記・会計の知識を見た場合、簿記1級の知識がないとダメな部分もあれば、関係ないモジュールの部分は簿記3級の知識も必要がない、ということになる。ここからいえるのは、今の簿記の級による区分はあくまでも経理・財務担当者向けの区分であってシステム開発者向けには別の区分が必要である、ということだ。

システム開発者が学ぶべき簿記とは?

システム開発者が学ぶべき簿記・会計については、いままでとは違う区分による学習プログラムが必要である。そこで、このHPでは少しづつではあるが、私なりに考えた学習プログラムを順次UPしていきたいと思う。

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